Future Leaders
栃木県塩谷郡高根沢町に本社を構える株式会社セレモニー宝典は、1957年の創業以来、地域に根ざした葬儀サービスを提供してきた。創業当初は造花店としてスタートし、時代の変化とともに仏壇・仏具の販売、そして平成初期には葬儀サービスへと事業を拡大してきた。 同社の経営理念は「人の心を考え抜き、地域の皆様にあんしんと信頼をお届けする」というものだ。この理念のもと地域の皆様に愛される会社を目指し、日々努力を重ねている。
現在同社は「ヴィラハウス宝典」や「宇都宮河内ホール」などの自社式場を運営し、家族葬から一般葬まで、また宇都宮市営斎場「悠久の丘」での葬儀も取り扱い、地域の皆様に幅広い選択肢を提供している。さらに人材育成を重視している同社は、社員一人ひとりが同じ価値観をもっており、+αの考え方や気持ちをもつスタッフになるための教育をおこなっていると語る。
あらたに荒井貴大代表というリーダーシップをむかえた今、セレモニー宝典は次世代を見据えたビジョンを掲げ、地域社会に貢献する存在として、葬儀事業にとどまらず、不動産や仏具販売、さらには相続相談に至るまで、包括的なサポートを展開している。
1957年、栃木県の小さな造花店から始まった株式会社セレモニー宝典。創業当時はまだ現代のような葬儀サービスという概念は希薄で、人々の生活は家族や地域の絆に深く結びついていた。創業者はその絆に寄り添い、花一輪に込められた思いを届けることから、地域との関わりを育んできたという。
その後、時代の変化とともに事業の幅を広げ、昭和後期には仏壇や仏具の販売を開始。単なる物品提供にとどまらず、「生活の中での仏教文化」の価値を地域に伝える活動へとシフトしていく。平成に入ると、葬儀業という新たな領域に挑戦。少子高齢化や都市化が進む中で、伝統と現代のニーズを融合させたサービスが求められるようになり、同社はこれに応える形で地域に根ざした葬儀式場を立ち上げた。
「そもそも、我々は他の会社様と根本的に違うことがあるわけではありません。なので、時代に合わせ、柔軟に対応することが必然的に重要なことだと位置づけています」と語る荒井代表。家族経営という枠組みを超え、組織的な運営を確立するために法人化し、さらに社員一人ひとりが主体性を持ってサービスを提供できる環境づくりに取り組んできた。その背景には「葬儀とは単なるサービスではなく、人生最後のセレモニーである」という信念がある。
会館型の葬儀へと移行する一方で、地域住民との深い結びつきを忘れることはない。同社の式場では、家族葬や地域の集まりに適した空間を提供するなど、利用者の多様なニーズに柔軟に対応している。
「セレモニー宝典の歩みは、時代を越えて人々の心に寄り添う進化の連続でした」と荒井代表。半世紀以上にわたる歴史が語るのは、単なる成長ではなく、地域とともに築き上げた信頼と未来への挑戦である。
「選択肢が多すぎる時代だからこそ、自分自身で情報を取捨選択する力が求められる」。荒井代表の言葉には、未来を担う世代への深い期待が込められている。
情報化社会の急激な発展により、現代の若者たちは膨大な選択肢に囲まれている。新しい技術やライフスタイル、価値観が次々と生まれる一方で、何を信じ、どの道を選ぶべきかに迷う声も少なくない。そんな中、荒井代表は「選ぶ」ことそのものを一つの力として捉えている。「選択肢が増えた分、見極める力が必要です。ただ多くの中から楽な道を選ぶだけでは、本当に自分が求めるものにはたどり着けません」。
自身の人生を「負荷の選択」で形作ってきたと語る代表。「筋トレで軽いダンベルを持ち続けても筋力はつかない。同じように、人も負荷がなければ成長しません」と彼は言う。この哲学は、代表就任からわずか数ヶ月で、家族経営から脱却し、組織全体の透明性を高めた荒井代表の行動力にも表れている。
「挑戦を恐れず、自分の理想を追い求めてほしい」。そう語る荒井代表の言葉には、ただの励ましではない現実的な視点もある。「負荷を避けることで一時的な楽を得ても、それが長期的に自分を支える力にはならない。あえて困難な道を選ぶことが、将来の自分をつくる基盤になるんです」。この考え方は、彼自身が社長という立場で選択を重ね、会社を進化させてきた経験に裏打ちされている。
現代の若者へのアドバイスとして、「選択を他人任せにしないこと」を何よりも強調する荒井氏。「自分で選び、自分で行動することで得られる達成感は、どんな形でもかけがえのないものです」と語る。その達成感こそが、人生を前に進めるエネルギーになるという。
選択肢が溢れる今だからこそ、冷静な判断力と理想を持ち続ける勇気が必要だ。代表のことばは、情報が溢れているがゆえに迷いがちな若者たちにとって、未来を切り拓くための一筋の光となるだろう。